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2014年3月23日 (日曜日)

首相が訓示した「ベイル・アウト」のこと。

 22日、安倍晋三首相は防衛大卒業式に参列し、「13秒後のベイル・アウト (緊急脱出)」を引用して訓示された。199971a

 平成11年11月22日午後、埼玉県狭山市の入間川河川敷に航空自衛隊入間基地所属のT-33ジェット練習機が墜落・炎上し、ベテランパイロット二人が死亡する事故が発生した。当時のマスコミは、「また自衛隊が事故を起こした」、「送電線を切って多くの地域で停電した」と自衛隊非難の大合唱が起きた。

 操縦していた中川尋史(なかがわ ひろふみ)さんと門屋義廣(かどや よしひろ)さんは、市街地に墜落させまいと必死に操縦したことには触れない。二人は墜落前に十分緊急脱出「「ベイル・アウト」の時間があったにも拘らず、それをしなかった。

    
 その理由が、事故機との通話内容や飛行記録、目撃状況から、事故発生時の状況が明らかになった。
 まず、パイロットは最初に「ベイル・アウト」を通報した後、13秒後に再度同じ言葉を叫んでいた。つまり、最初の緊急事態と同時に脱出していたなら二人は助かったであろうが、練習機は民家などに激突し、住民に被害が発生する可能性が高いと認められた。
 パイロットは、この13秒間に被害を最小限にとどめるため、覚悟の上で最後まで操縦桿を握りしめていたのだ。
 そして、ぎりぎりの高度で河川敷上空までたどり着き、市街地に被害が及ばないことが確実になった段階で、緊急脱出ボタンを押したが、時は遅すぎた。

  自衛隊員は入隊するときに次の宣誓を行う。
  「自衛隊法施行規則による宣誓
 「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもって専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います。」

 この約束を最期の最期まで守り抜いたことが、この事故の裏側にあったのだ。
 最近でも、自衛隊や在日米軍関係者の不祥事、オスプレイの事故を期待するようなマスコミ報道が少なくないが、この当時に比較すれば意識的に貶める報道は随分と少なくなった印象だ。
 自衛隊への期待と評価は、間違いなく良い方向に変化している。

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