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2013年12月 1日 (日曜日)

新生児取り違い事件に想う

 「ふなっしー」で知られる千葉県船橋市だが、記者会見した江戸川区の男性は誕生時に取り違いがなかったら、船橋の裕福な家庭で育つはずだった。0001112

 この事件は、昭和28年3月30日、賛育会病院(墨田区太平3-20−2)で発生したが、記者会見した男性の真の弟達は「実の兄に会いたい」との願望から訴訟を起し、「子関係不存在確認等請求控訴事件 」として、東京高裁で平成22年9月6日判決が下さ000063_0れている。http://www.houritsuka.net/case/dna.php
 出生時の病院のミスによって、両極端の違った人生を歩むことになった二人の心境はいかばかりかと察っし、言い難い空しさを感じたと同時に、もし我が身ならと置き換えて考えた人も多かったはずだ。

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 さて、今回のように全く違う人生や境遇の二人が、故意或いは過失で入れ替わる話は、かつては黒沢映画の「影武者」、最近では「そして父になる」などのストーリーとして扱われ、当人はもとより関係者の苦悩を表現している。0000000

 また、二人の育った環境があまりにも違っていたことから、マーク・トウェインの「王子と乞食」を思い出した人もあったはずだ。
   (※「乞食」は差別用語らしいが題名であり使わせてもらう)
  「王子と乞食」は題の通り、王子と乞食という両極端の環境の少年二人が故意に入れ替わる話だが、筋書きは紹介しなくてもいいほど知られている。
 だが多少は触れる。
  宮廷生活に飽き飽きした王子エドワードは、ふとした遊び心から乞食の子トムと服を交換したために宮廷から追い払われてしまい、乞食の子としてロンドンの巷をさ迷い歩くことになってしまう。エドワードは、王子に憧れてついには気が狂ってしまった哀れな乞食の子としか見てくれない下町の人々の中にもまれて、ロンドンの庶民たちの苦しみを身を持って実感する。
 しかし、元に戻ろうとしたとき苦悩と葛藤が待っていた
 いたずら半分で乞食服のまま宮廷を出てしまったがために、宮廷に戻0000r_bigれなくなってしまった王子エドワードが乞食の状態から何とかして元の世界に戻りたいと思うのは当然のことだが、もともと乞食だったトムは、いくら宮廷の生活が窮屈だとしても、乞食暮らしに比べたらすばらしい別世界であるのは間違いない。

 
そして今回の事件の当事者になって想う。
 
王子・エドワードは「アパートで育った記者会見した男性」であり、乞食のトムは「船橋の豪邸で育った男性」ということになる。
 とかく、親の遺産を引き継いだ裕福な生活の男性は批判されがちだが、関係者には一度、これらの映画や本を読み返していただいて、その身になって理解することも大切だ。きっと、置かれた環境とは関係なしに精神的ショックは大きいと想像される。
 また事情を知る近隣や親族からは白い目で見られ、生活もままならない状態であろう。
 二人が生みの親に会うことが出来なかったことは、返す返すも残念だが、残された人生をより充実にされ、「 ハッピーエンド」になることを祈らずにはいられない。
 追記するが、
 実弟3人とともに病院側に約2億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、病院側の過失を認め約3800万円の支払いを命じたというが、失った60年の人生の値段としては地裁の判断は安すぎる。
 当然、控訴すべきだ。
 2億5000万円の損害賠償額でも納得できない人もいるはず。

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