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2013年11月 2日 (土曜日)

おもてなしの極致は「佐野常世」

 昨今の食品産地偽造・メニュー偽装問題を、謡曲「鉢の木」の「佐野源左衛門尉常世」なら、なんとコメントするだろうか。0000kura33

 先日、日光に向かう途中、東北自動車道で栃木県佐野市に差し掛かると、バスガイドが謡曲「鉢の木」の話を紹介した。
 小生の知識では、高崎市上佐野町が舞台と思っていたが、佐野市鉢木町も、それに当たるとされるらしい。
 佐野源左衛門尉常世(つねよ)の屋敷跡とされる場所には、「常世神社」が両方にあるそうだ。尤も、謡曲「鉢の木」が史実なら本家争いも起きるのだろうが、そんな話は聞いたことがない。

 2020年東京オリンピック開催プレゼンの日本の売り口上は、流行語大賞候補の『お・も・て・な・し』だったが、その極地が謡曲「鉢の木」の北条時頼に対する「佐野源左衛門尉常世」のおもてなしではなかろうか。

 話は有名すぎて、ここに記載する必要などないが、
 北条時頼が旅僧に身をやつして諸国を行脚中、上野佐野で大雪に遭い、貧家に一夜の宿を借りた。貧家の主人、佐野源左衛門尉常世は、粟飯でもてなし秘蔵の三鉢の盆栽の梅・桜・松鉢木を焚いて暖をとらせ、もてなしたという

 この
心尽くしの、期待以上の「おもてなし」を提供された旅僧は・・・・・・・。

 さて、昨今「阪急阪神ホテル」のメニュー偽装を皮切りとして、名古屋の「名鉄グランドホテル」等々の有名ホテルでは、産地偽装、偽装表示のオンパレードだ。
 
 「名鉄グランドホテル」では、「伊勢エビをロブスター」、「車エビをブラックタイガー」、「芝エビはバナメイエビ」、「和牛フィレ肉ステーキは国産牛」を使っていた。
 本当の「おもてなし」とは、お客に期待以上のサービスを提供することで、店側もリピーター客(常連客)を確保して、更なる品質向上と信用につながるものであろう。
 それが、お客に期待以下のものを提供して、それをメニューで誤魔化してまでも金儲けしたいとは、呆れて空いた口がふさがらない。
 きっと、佐野源左衛門尉常世も同感であろう。
 

 「いざ鎌倉」──『鉢の木』のあらすじ
 ある大雪の日、諸国遍歴の旅の僧が上野(こうずけ)国の佐野の渡しで行き暮れて、路端の貧しげな民家に一夜の泊りを乞う。アワ飯を炊き、秘蔵の盆栽三鉢の木を薪にして暖をとらせるなど、心づくしのもてなしに忙しかった宿の主人は、やがて問われるままに身の上を語りはじめる。
 彼の名は佐野源左衛門尉(げんざえもんのじょう)常世(つねよ)。かつては付近の佐野庄三十余郷を支配する領主だったが、一族たちに所領を押領(おうりょう)され、このような姿にまで落ちぶれてしまった。しかし鎌倉の御家人として、もしも幕府に一大事がおこれば、ただちにやせ馬にまたがり、ちぎれたよろい具足をつけ、さびた長刀を持って鎌倉にかけつけ、合戦ではめざましい武功をたてようものを、と決意を語るのであった。
じっと聞いていた旅の僧は、ご覧のような者でたいしたことはできないが、もしも訴訟などで鎌倉に来られたら、何かのお力になろう。幕府に裁判所のあることをお忘れあるな、となぐさめ、翌朝には旅立つ。
 やがて幕府から、鎌倉に一大事がおこったとて、緊急の動員令が下される。まさに「いざ鎌倉」と関東八か国の御家人たちが先を争ってかけつける。そのなかには当然、かの佐野常世の姿があった。幕府首脳部の前に召し出された常世は、雪の日の旅の僧こそ、じつは前執権(しっけん)で最高実力者北条時頼(ときより)その人であることを知っておおいに驚く。
 時頼は常世が先日の約束をはたしたことをほめ、ただちに佐野庄三十余郷を常世に返し与えただけでなく、薪にされた三鉢の盆栽の梅・桜・松にちなんで加賀国梅田庄、越中国桜井庄、上野国松井田庄の三つの庄園を新たに恩賞として与えた。まことに過分の待遇であったといってよく、常世は大喜びで故郷に錦を飾ることになった。

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