« 韓国大統領の恥ずかしい伝統 | トップページ | 「かくばかり みにくき国になりぬれば 捧げし人のただ惜しまる」 »

2012年11月21日 (水曜日)

国際関係の大原則は「永遠の国益」

    軍事学の立場は、原則として人間社会において戦争や暴力的な事態の発生が不可避であることを大前提としている。
 人間の歴史は戦争の歴史でもあり、当然と言えば当然のことだ。
 戦争のない平和な時代は、人類の歴史の中では驚くほど短いと言われる。
 「平和」とは、戦争と戦争の間の戦争が起きてない短い期間を言う。

 日本人は、今、その短い期間を知ってか知らずか当然のように謳歌しているが、この平和は例外中の例外と思ったほうがいい。

   パーマストン英首相は「国家には永遠の友も永遠の敵も存在しない。存在するのは永遠の国益だけである」と語った。
 今日のサンケイ新聞の「正論」に「尖閣防衛は強者への正義の戦い」と題して防衛大学校・村井友秀教授の論文が掲載された。
 いい論文だ。

【正論】防衛大学校教授・村井友秀 尖閣防衛は強者への正義の戦い
  
2012.11.21 03:34
   国際関係において敵とは国益を害する国であり、味方とは国益に資する国、または敵の敵である。
 国家は、国民、領土、主権から成り立っており、これらの3要素を害する国が深刻な敵である。
 ≪抵抗で生まれる対日友好
 現代のアジアでモンゴルやベトナムやインドは日本に友好的な態度を取ることが多い。日本人が特別に好かれているわけではない。
 ただ、これらの国は中国に侵略された歴史を忘れていない。
 中国は敵であり、敵の敵は味方なのである。
 日本がこれらの国で厚遇されるのは、日本が中国に対抗できる国であると見られているからである。したがって、日中関係が親密になれば、これらの国の日本への信頼感は低下するであろう。

 20世紀初期のトルコやポーランドでは日本の人気は高かった。当時、両国の敵はロシアであり、日本は日露戦争の勝者だったからである。ただし、「国家には永遠の友も永遠の敵も存在しない。存在するのは永遠の国益だけである」(パーマストン英首相)ということも国際関係の原則である。
 それでは日本の国益を侵害している国はどの国であろうか。
 脅威は能力と意志の掛け算である。日本の国民、領土、主権を侵害する最大の軍事的能力を持っているのは米国であろう。次いで、ロシア、中国、北朝鮮が挙げられる。これらの国は数千発から数十発の核兵器を保有し、日本を攻撃できる射程を持つ数百発~数十発の弾道ミサイルも保有している。韓国も西日本を攻撃できる射程800キロの弾道ミサイルを、数年内に開発することを決定した。

 次に、日本の国益を侵害する意志を見ると、米国は日本の同盟国であり、日本を攻撃する意志はゼロであろう。したがって、能力と意志を掛けると米国の脅威はゼロである。ロシアは日本の領土を奪い、武力で不法状態を維持しようとしている。ロシアの意志と能力を掛けると脅威は存在する。

 ≪能力×意志=最大の脅威中国

 中国は日本が実効統治している尖閣諸島を武力で奪い、現状を変更しようとしている。日本の領土を積極的に侵害しようとしているのである。中国の能力と意志を掛けると脅威は明確に存在する。北朝鮮は日本人を拉致し、かけ替えのない国益である国民の生命を侵害している。北朝鮮の能力と意志を掛ければ脅威は存在する。韓国は日本の領土である竹島を不法占拠し、武力を使って現状を維持しようとしている。韓国も能力と意志の掛け算はプラスである。

 以上、能力と意志を掛け算すると中国の脅威が最大になる。

 他方、米露韓の3カ国は民主主義国である。一般的に民主主義国は戦争をやりにくい構造になっている。戦争は奇襲で始まる場合が多い。しかし、民主主義国は政策決定過程の透明性が高く、敵を奇襲することが難しい。また、民主主義国は暴力による威嚇ではなく国民を説得することによって、政権を維持している。対外関係でも同様の行動を取る傾向があり、話し合いを優先し、戦争を選択する可能性は低いといわれている。だが、中国と北朝鮮は独裁国家であり、戦争に対する民主主義のブレーキが効かない国家である。

 文民統制も戦争に走る軍を政治が抑えるシステムである。米露韓の3カ国では文民統制が機能している。それに対して、北朝鮮は軍が最優先される「先軍政治」の国であり、中国も「鉄砲から生まれた」共産党と軍が一体化した兵営国家であり、文民統制は存在しない。以上の条件を勘案すると、現在の日本にとって最大の脅威は中国による領土の侵略である。

 ≪国連憲章に則った日本の行動

 中国の侵略に日本はどのように対応すべきか。尖閣諸島を日本から奪おうとする中国の行為は、日本の死活的に重要な国益を侵害するだけではなく、国連憲章を否定する行為でもある。国連憲章第1章は「すべての加盟国は武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならない」とうたう。

 したがって、武力による威嚇と武力行使で日本から尖閣諸島を奪おうとする中国に抵抗する日本の行動は、国連憲章に則(のっと)った正義の行動である。尖閣諸島をめぐる日中の動きは、両国の国益の衝突という次元にとどまらない。国際社会の正義の問題なのである。

 現在、日本では、中国による世論戦、心理戦や経済的圧力の効果もあって、中国に妥協すべきだとの意見も強まっている。しかし、その中国の指導者、毛沢東が「敵と妥協し、領土や主権を少し犠牲にすれば、敵の攻撃を止めることができるとする考えは幻想に過ぎない」(持久戦論)と述べていることを肝に銘ずべきだろう。

 尖閣諸島を守る日本の行動は、力で要求を押し通そうとする強者に対する正義の戦いという面がある。日本が屈服すれば、強者に抵抗する日本に期待していたアジアの弱者は失望し、日本のアジアに対する影響力(ソフトパワー)は消滅する。日本が強者に対する抵抗を放棄すれば、アジアで弱者が安心して平和に暮らす環境もなくなるであろう。
 (むらい ともひで)

【3年の決算】(上)検証・民主党政権 国益が失われ続けた3年余

2012.11.21 07:20

 「プリーズ・トラスト・ミー(私を信頼してほしい)」

 民主党政権ができてから間もない平成21年11月13日の日米首脳会談。米軍普天間飛行場移設問題で、オバマ米大統領から現行計画に沿った迅速な解決を迫られ、こう大見えを切ったのは、今月20日に衆院選不出馬の意向を固めた鳩山由紀夫元首

相その人だった。

 「腹案」がないにもかかわらず「(移設先は)最低でも県外」と言い続けていた鳩山氏はその後、結局は移設先を見つけられず、普天間問題を迷宮へと送り込んだ。

 それから3年後。カンボジアのプノンペンで20日、民主党政権では“最期”となるかもしれない日米首脳会談が行われた。

 オバマ米大統領「特別な同盟関係を再確認したい」

 野田佳彦首相「再選おめでとうございます。日米同盟の重要性がかつてなく高まっている」

 和やかな雰囲気で始まった会談では、双方が同盟の意義に言及したが、会談は当初の45分間の予定が通訳を入れてわずか25分で終了した。

 政府関係者は「あらかじめ定められた時間まで協議しなければいけないということはない。問題点を絞っていい意見交換がなされた」と説明したが、台頭する中国への対応、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への日本の参加問題などの懸案をめぐり議論が深まることはなかった。

 外交筋によると首相が衆院を解散し、政権交代の可能性が高いことだけが理由ではない。米国は「2030年代の原発稼働ゼロ」を柱とする野田政権のエネルギー政策への不信を強めているというのだ。

 「野田政権が米国に事前に何も相談せずに決めたことが致命的だった。米軍普天間飛行場移設問題と同じぐらいの不信感を招いた」

 政府高官はこう証言する。福島第1原子力発電所事故で生じた国民の原発への不安感・アレルギーを取り込み、党勢拡大に利用する-。狙いは明白だが、国内事情しか見ていないこの方針は、ただでさえ民主党政権下で脆(ぜい)弱(じゃく)化した日米同盟関係にさらに大きな亀裂を生じさせた。

 政府・民主党方針では、日本は原発を止める一方で使用済み核燃料の再処理事業は継続するが、その場合、核兵器の原料となるプルトニウムが国内に大量にたまっていく。

 そのプルトニウムはどこへ向かうのか。核拡散防止条約(NPT)下の秩序は有名無実化し、中国、ロシア、韓国などが原発輸出を活発化させて核拡散へとつながるのではないか。石油などのエネルギー価格にも影響が出ることはないか。

野田政権が米側の不信感に気づくのは遅かった。

 首相は方針決定2日前の9月12日になって急(きゅう)遽(きょ)、長島昭久首相補佐官(当時)らを米国に派遣して説明に当たらせたが反応は冷ややかだった。

 「日本は本当にそれでいいのか。プルトニウムの拡大再生産を国際社会が許すと考えているのか。核爆弾が作れるのだが…」。米政府高官はこう突き放した。

 首相も遅まきながら危機感を覚え、革新的エネルギー・環境戦略の閣議決定は見送り、原案にはあった「戦略推進法案の検討」も削った。だが、民主党は衆院選に向け「原発ゼロ」の看板を掲げ続けている。

 民主党政権は平成21年9月の発足直後から日米同盟関係にひびを入れ続け、中国など近隣諸国が付け入るすきを大きく広げてきた。「外交敗北」の連続だ。

 オバマ大統領に大見えを切った初代の鳩山由紀夫元首相は、威勢のいい「対等な日米関係」を主張、意味不明の「東アジア共同体構想」を提唱して関係国を困惑させる。

 盟友の小沢一郎幹事長(当時)は、同盟国とそれ以外の国を同等に扱う「日米中正三角形論」を展開。総勢626人の大訪中団を率いて訪中し「朝貢外交」(外務省幹部)を行った。ルールを破って天皇陛下と中国の習近平国家副主席(当時)との「特例会見」を実現させた。

 続く菅直人氏は22年8月、日韓併合100年にあたり「心からのおわび」を表明した屋上屋を架す「菅談話」を発表。9月の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では中国人船長を超法規的に釈放させて「地検独自の判断」だと強弁、国民が求めた衝突映像の公開も拒んだ。11月には、ロシアのメドベージェフ大統領(同)がロシアの国家元首として初めて北方領土を訪問するのを座視した。

 3代目の野田佳彦首相は韓国の李明博大統領について「今までの大統領とは違う」と片思いし、朝鮮王朝儀軌などの古文書を韓国に持参。解決済みの慰安婦問題で「知恵を絞る」と口約束した結果、今年8月の李大統領による島根県・竹島への不法上陸を招いた。

 東京都の石原慎太郎知事(同)が尖閣諸島購入を表明すると、それを阻止しようと国有化に走り、かえって日中関係を悪化させた。国益がむなしく失われ続けた3年余だった。

 日米同盟を基軸とした外交の立て直しが急務であることは共通認識といえる。

各党には、集団的自衛権の行使、普天間や尖閣をめぐる問題などにいかに取り組んでいくかを、明確に示すことが求められている。

(阿比留瑠比、杉本康士)

|

« 韓国大統領の恥ずかしい伝統 | トップページ | 「かくばかり みにくき国になりぬれば 捧げし人のただ惜しまる」 »

09 共産主義国・中国のこと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1208592/47918624

この記事へのトラックバック一覧です: 国際関係の大原則は「永遠の国益」:

« 韓国大統領の恥ずかしい伝統 | トップページ | 「かくばかり みにくき国になりぬれば 捧げし人のただ惜しまる」 »