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2012年9月22日 (土曜日)

「この世で一番不潔な町ソウル」イザベラ・バード 

 イザベラ・バード (1831~1904) は英国人の女性旅行家で作家が、江戸末期から明治初期にかけて、シナ、韓半島、日本を旅し紀行文を残したことで知られる。
 韓半島を旅したのは、日韓併合が行われる16年前のこと。
 100年以上も前に見聞きした情勢をリアルに今に伝える。

 バードが目にしたのは、次の動画のような韓半島だったのだろうか。
 韓国では、東洋一美しかった国を、日本が合併して汚したと教えているという。
 この紀行文は、きっと韓半島の関係者は一番見たくない認めたくない悲惨な事実なのだろう。

   

朝鮮紀行」 イザベラ・バード 1897年(時岡敬子訳 1998年)
李朝末期の朝鮮
 城内ソウルを描写するのは勘弁していただきたいところである。
 北京を見るまでわたしはソウルこそこの世でいちばん不潔Imgd492d9c5zikczjな町だと思っていたし、紹興へ行くまではソウルの悪臭こそこの世でいちばんひどいにおいだと考えていたのであるから!
 都会であり首都であるにしては、そのお粗末さはじつに形容しがたい
 礼節上二階建ての家は建てられず、したがって推定二五万人の住民はおもに迷路のような横町の「地べた」で暮らしている。
 路地の多くは荷物を積んだ牛どおしがすれちがえず、荷牛と人間ならかろうじてすれちがえる程度の幅しかなく、おまけにその幅は家々から出た固体および液体の汚物を受ける穴かみぞで狭められている。 (pp. 58-59)

首都の第一印象(李氏朝鮮時代)
 都会であり首都であるにしては、そのお粗末さは実に形容しがたい。
 礼節上2階建ての家は建てられず、したがって推定25万人の住民は主に迷路のような「地べた」で暮らしている。
 路地の多くは荷物を積んだ牛どうしがすれちがえず、荷牛と人間ならかろうじてすれちがえる程度の幅しかなく、おまけにその201230909幅は家々から出た個体および液体の汚物を受ける穴か溝で狭められられている。悪臭紛々のその穴や溝の横に好んで集まるのが、土ぼこりにまみれた半裸の子供たち、疥癬もちでかすみ目の大きな犬で、犬は汚物の中で転げまわったり、ひなたでまばたきしたりしている。
 路地にはまた「小間物」とアニリン染料で染めたけばけばしい色の飴を売る行商人もいて、溝の上に板をさし渡し、おそらく1ドル程度の品物を並べている。こういった溝に隣接する家屋は一般に軒の深い藁ぶきのあばら家で、通りからは泥壁にしか見えず、ときおり屋根のすぐ下に紙を張った小さな窓があって人間の住まいだと分かる… かわら屋根の反り返った上流階級の家庭でも、通りから見た体裁の悪さという点では何ら変わりがない。
 商店も概してみすぼらしいのは同じである。
 在庫品全部を買っても6ドル程度の店がたくさんある… おもな商品は白い綿地、わらじ、竹の帽子、素焼きのかめ… 大量の干した海藻と干しきのこといったもので、その他に安価な灯油ランプ、手鏡、安物くさい花瓶などといった外国製の不要品から一番くだらないものばかりを選んできたような品々は、どれをとっても悪趣味のきわみとしか言いようがない。黒いうるしに貝の真珠層か何かを埋め込んだ古風なデザインの象嵌製品にはときとして掘り出し物がある。金糸の刺繍をほどこした絹地もあるが、デザインがまずく、色合いはなんともすさまじい。
(中略)
   南山の美しい丘からはソウルの全景が眺められる。
 周囲の山々は松の木立が点在するものの、大部分は緑がなく、黒い不毛地のうねりとなってそびえている。こういった山々の取り囲む盆地の中に20万の人々がひしめきあっている。
 城内は大半が藁ぶきの低い茶色の屋根の海で、林も広場もなく、単調きわまりない。
 この茶色の海から突き出ているいるのが城門の反り返った二重屋根と灰色花崗岩の王宮の石塀で、その中にさまざまな殿舎の大きな屋根がある。東の城門から西の城門へと広い通りが市街を貫き、この通りから南の城門へともう一本の通りが走っている。
 中央の大通りからはさらに幅95ヤードの広い道路が王宮へと向かっている。
 常にじゃま物のないようきれいに片付けられているのはこの通りだけで、ほかの街路は屋台店が両側に並び、通行用には狭い道幅しか残っていない… しかし何百本とある、もっと狭くてしかもその幅が軒やどぶで狭められている路地では、人間どうしがすれ違うがやっとだ。
 何マイルも続く土壁と深い軒、どろどろとした緑色の溝、黒ずんだ排気口の間には、男性の住民と荷物の運搬人以外、動くものはあまりない。どの家も犬を飼っており、四角い穴から犬は家に出入りする。よそ者が来れば激しく吠え、傘をふると逃げていく。
 犬はソウル唯一の街路清掃夫であるが、働きはきわめて悪い。
 また人間の友だちでもなければ、仲間でもない。朝鮮語をはじめ人間の話すあらゆる言語に取り合わない。
 夜間吠えるのはどろぼうがいるからである。
 飼い犬といえどほとんど野犬にひとしい。
 若い犬は春に屠殺され、食べられてしまう。
   昼間水をくんだり洗濯したりする女性の多くは下女で、全員が下層階級の人々である。朝鮮の女性はきわめて厳格に家内にこもっている。おそらく他のどの国の女性よりも徹底してそうではなかろうか。
 ソウルではとても奇妙な取り決めが定着している。
 8時に《大釣鐘》が鳴り、それを合図に男たちが家に引きこもると、女たちが家から出て遊んだり友人を訪ねたりするのである。
 私が到着したのもそんな時間帯であり、まっ暗な通りにあるのは、もっぱらちょうちん片手の召使いをお供にした女性の姿だけという異様な光景であった。
 ただし、盲人、官僚、外国人の従僕、そして処方箋を持って薬屋へおもむく者はこの取り決めから除外される。投獄を免れるためにこういった肩書をかたる場合は多く、長い棒を手に入れて盲人のふりをする者もままある。12時にもう一度鐘が鳴ると、女たちは家にもどり、男たちはまた自由に外出できる。ある地位の高い女牲は、昼間のソウルの通りを一度も見たことがないと私に語った。
       夜間の静けさはきわめて印象的である。鼻歌ひとつ、咳ひとつ聞こえず、ひそとも人の気配がない。通りに面していて、なおかつ明かりのともった窓というのがほとんどないので、暗さも徹底して暗い。静寂を破って届く《大釣鐘》のゴーンという低い音には、不吉ともいえる響きがある <> <>

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