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2012年4月 7日 (土曜日)

予算議決に関する衆議院の優越

 予算条約は30日経過すると自然成立する。
 その起算点は「衆議院議決案を参議院が受領した日」となる。
 その理由は、野党がゴネ続けて予算が決まらなかったら国民生活に大きな影響を与えるから・・・。
 また、日本国が締結した条約は誠実に遵守する必要があり、一国の都合で破棄できないからとされる。

 4月5日 平成24年度予算案は、参議院予算委員会で採決が行われ、野党の反対多数で否決された。予算案は参議院本会議でも否決されたが、憲法の規定で衆議院の議決が優先され同日夕方には成立した。
 少々、衆議院の優越を勉強しようと思う。

まず憲法では、衆議院と参議院との関係では、
法律案の議決
予算の議決
条約締結の承認
内閣総理大臣の指名
について衆議院の優越が認められている。
 特に、予算条約の承認は、衆議院で予算が議決されてしまえば、参議院の審議が終了しなくとも30日後には自動的に成立する仕組みだ。

第59条 【法律案の議決、衆議院の優越
 第1項 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
 第2項 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
 第3項 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
 第4項 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
第60条「衆議院の予算先議、予算議決に関する衆議院の優越」 
 第1項 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
 第2項 予算について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
第61条 【条約の承認に関する衆議院の優越
 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。
第67条 【内閣総理大臣の指名、衆議院の優越
 第1項 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。 この指名は、他のすべての案件に先だって、これを行ふ。
 第2項 衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

との規定がある。
 

ネットに「衆議院の優越」に関連する問題が掲載されていたので勉強しよう。
http://gyoseisyoshi-shiken.rdy.jp/modules/practice/index.php?content_id=271

問題 日本国憲法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
1. 衆議院及び参議院の議員は、原則として、国会の会期中逮捕されないことになっているが、この特権は、院外における現行犯罪の場合やその院の許諾がある場合は除外されている。
2. 国会は、国の唯一の立法機関であるが、地方公共団体も法律の範囲内で条例を制定することができる。
3. 衆議院と参議院との関係においては、法律案の議決予算の議決条約締結の承認及び内閣総理大臣の指名についていずれも衆議院の優越が認められている。
4. 衆議院が解散された場合、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。また、衆議院議員総選挙の後に初めての国会の召集があったときは、内閣は総辞職をしなければならない。
5. 両議院の議事は、憲法に特別の定めのある場合を除いて、出席議員の過半数で決するが、懲罰によって議員を除名する場合、法律案について衆議院で再可決する場合及び憲法改正を発議する場合は、いずれも出席議員の3分の2以上の賛成を必要とする。

解説
1.正しい。
 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない(憲法第50条)。
2.正しい。
 憲法第41条では「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と規定されているが、「国の唯一の立法機関」には「国会中心立法の原則」の意味があり、立法は原則として国会を通し、国会を中心に行われなければならないとされる。 その例外として、本肢の条例の他、、政令、委任立法、議員規則・最高裁判所規則などがある。
3.正しい。
 憲法上衆議院が参議院に優越するのは、本肢にある「法律案の議決(憲法第59条)」「予算の議決(憲法第60条2項)」「条約の承認(憲法第61条)」「内閣総理大臣の指名(憲法第67条2項)」の4種類である。
4.正しい。
 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない(憲法第54条1項)。また、衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない(憲法第70条)。なお、衆議院解散総選挙後に召集される国会は、特別会である。
5.誤り。
 両議院の議事は原則として出席議員の過半数で決する(憲法第56条2項)。例外として、議員の資格争訟(憲法第55条)、秘密会(憲法第57条1項)、議員の除名(憲法第58条2項)、法律案の再可決(憲法第59条2項)は「出席議員の3分の2以上」の議決が必要であるが、憲法改正の発議(憲法第96条)は「総議員の3分の2以上」の議決が必要である。

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