« 生け贄の迷信を一掃した「西門豹」 | トップページ | 大企業の『獅子身中の虫』達へ »

2011年11月26日 (土曜日)

公務員の不祥事が報道される図式

 組織によって隠蔽されがちな公務員の不祥事が、報道機関に察知されニュースになるのは内部告発よりは情報公開請求で発覚することが多い。
 よって、懲戒処分基準が厳しい公務員は明るみになる率が高く、逆の場合は公に成りにくいことになる。以前、飲酒運転の懲戒処分基準が、公務員によって大きな差があると問題になったが、それが一例だ。
 今回の不祥事報道は山形県遊佐町役場職員による窃盗事件だ。

 地方の市町村役場は同様だそうだが、遊佐町役場の職員採用は例年若干名の狭き門であり、その町出身の優秀な人達が採用されている。
 いわばその町のエリート、そして模範住民であり、身分や収入は安定し、町民からは羨望の的なのだ。
  このように期待される職員の不祥事は批判されて当然だ。
Photo
 11月26日付けの山形新聞で知ったことだが、山形県遊佐町総務課に勤務していた40歳代の元男性主任が今年9月、町民体育館事務室の金庫から現金25万8300円を盗んだとして、停職6カ月の懲戒処分を受けていたことが明るみになった。
 町役場は返したから警察に被害届は出していないという。
 「謝って済むならば警察いらない」の典型だが、町役場は単に世間に知られないように内々に済ませようとしたのに、意に反して明るみになってしまった。

 このように不祥事が報道機関に知れるのは、一部は内部告発もあるが、多くはマスコミによるの情報公開請求で発覚することが多い。
 例えば、都道府県の人事課に、「平成23年中の○○市職員の懲戒処分について」と情報公開請求すると、該当職員の個人情報を除いて公開される。
 すると必然的に、懲戒処分の年月日や概ねの概略がマスコミに知られることになり、「公務員の不祥事を組織的に隠蔽するのか」との執拗な取材により、市町村側は明るみにせざるを得ない図式となる。
 公的機関の中には、そうなることを畏れ先手を打って、懲戒処分に関する指針等により、定期的に懲戒処分を公表しているところもある。

 今回、遊佐町の不祥事発覚もそのようなものだと推測する。
 遊佐町には、平成10年9月25日に「遊佐町情報公開条例 」が制定され、次いで平成11年01月13日には、情報公開条例施行規則が制定されているが、町役場側から積極的に公開したものではないことは明らかだ。
 今回のことで町役場も、職員の犯罪行為は被害届を提出し、予め報道機関にも情報提供した方が、必要以上に大きくならないことも学んだことであろう。

 今後の対応としては、町役場は仕方なく警察に被害届を提出するか、公務員犯罪として住民から告発される運びになり、この職員は余罪を追及され、余罪等の発覚から次々に別問題が判明することが多い。
 そして、対処が後手後手になり、町役場の機能が麻痺し、住民サービスが疎かになるおそれがあることを心配する。

20113

遊佐町の行政機構と職員配置図
   http://www.town.yuza.yamagata.jp/Files/1/3048/html/shokuin23.pdf

遊佐町職員、体育館の金庫開け窃盗 懲戒処分後に辞職、町が規定の退職金  http://yamagata-np.jp/news/201111/26/kj_2011112600806.php
                          2011年11月26日 
 遊佐町総務課に勤務していた40歳代の元男性主任が今年9月、町民体育館事務室の金庫から現金25万8300円を盗んだとして、停職6カ月の懲戒処分を受けていたことが25日、町への取材で分かった。
 元主任は盗んだことを認め全額返金。処分を受けた後に依願退職し、規定通り退職金が支払われた。全額が返金されたことなどから、町は警察に被害届は出していない。懲戒処分にとどまったことに、一部町民から疑問視する声も上がっている。
 町によると、元主任は9月8日の退庁後、町民体育館に行き、体育館の指定管理者になっている町体育協会事務室の手提げ金庫から、施設管理費の現金を盗んだ。
 手提げ金庫と、金庫が入れてあった物品庫は施錠されていたが、元主任は指定管理者制度導入以前、町教育委員会職員として体育館に勤務経験があり、内部事情に詳しく鍵の保管場所を知っていたとみられる。体育館の夜間管理人が当日、体協職員の帰宅後に入室する元主任を確認していた。
 翌9日、体協職員が現金がないことに気付き、町に相談。町側の聴取に対し、元主任は金を盗んだことを認め「クレジットカードで購入した家電製品の支払いに使った」と話したという。元主任は謝罪し、数日後に全額を返金した。
 町は懲戒処分審査会を開いて10月28日、元主任を停職6カ月の懲戒処分、直属上司の総務課長を戒告処分とした。
 元主任は同月31日に辞表を出して同日付で退職した。
 手提げ金庫の中にあった現金は、町が施設管理費として町体協に支出した指定管理料の一部。町は盗まれた金が公金に準じるとして、町職員の懲罰規定に基づいて処分を決めた。
 町は、時田博機町長名で職員に対して綱紀粛正を呼び掛けるとともに、町の各指定管理者にも所管課を通じて現金管理の徹底を要請。
 金庫の鍵の保管方法については、一定のルールを設けた上で定期的に変更するなど、再発防止策も検討している。
 町総務課は「人としてあってはならないことで、重く受け止めている」としている。

盗みの職員に遊佐町が停職処分  
http://www.nhk.or.jp/lnews/yamagata/6024218541.html
 遊佐町で今年9月、現金25万円あまりを盗んだ町の職員を町が警察に届け出ないまま停職処分にしていたことが明らかになりました。
 遊佐町の時田博機町長によりますと、ことし9月、町民体育館の事務室の金庫から現金25万円あまりがなくなっているのを体育協会の職員が気付き、町に報告しました。
町で調べたところ総務課の40代の男性主任が「カードで購入した家電製品の支払いのために使った」と、盗んだことを認めたということです。
 町はこの件を警察に届け出ず、この主任に全額を返還させ、先月28日に停職6か月の処分にしました。そしてこの主任が、3日後に辞表を提出したことから、町は退職金を支払ったということです。
 警察に届け出なかったことについて、時田町長は、「全額返せば被害届けは出さないという体育協会の申し出を受けて対応した」と説明し、退職金を支払ったことについては、「弁護士と協議を重ねたうえで、町の規定に従った」としています。
                    11月26日 12時00分

|

« 生け贄の迷信を一掃した「西門豹」 | トップページ | 大企業の『獅子身中の虫』達へ »

02 「うんちく」知ったかぶり」カテゴリの記事

09 遊佐町の関連情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1208592/43149735

この記事へのトラックバック一覧です: 公務員の不祥事が報道される図式:

« 生け贄の迷信を一掃した「西門豹」 | トップページ | 大企業の『獅子身中の虫』達へ »