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2011年3月 6日 (日曜日)

衆議院の解散権は首相にある?

 菅総理大臣は、3月4日、衆議院の解散について「解散はまったく考えていないが、憲法上のルールで何らかの選択を迫られることがあれば、ルールにのっとって行動する」と述べ、菅内閣に対する不信任決議案が可決された場合などには解散権を行使することもありうるという認識を示したという。

 以前から疑問に思っていた。
 「衆議院の解散権は首相にある」と言われているが、日本国憲法に明文規定が存在しない。
 一般的には「憲法七条説」がある。
 天皇の国事行為の一つとして「衆議院の解散」が挙げられているが、天皇に実質的権限はないのだから「内閣に解散権がある」ことになる。
 この見解は内閣に解散権があることを解釈で導き出すことになる。
 このことから憲法草案時に、内閣に積極的解散権を与える意図はなかったのではとされる。つまり、「内閣不信任決議可決」→「内閣総辞職拒否」→「天皇が内閣の助言と承認に基づいて国事行為として衆議院を解散する。」という流れが想定されていたのではないかとされる。

  この解散権の所在をめぐっては、7条説、69条説、65条説などがある。
 過去の経緯を掲載したサイトを紹介する。
 解釈が揺れていることがわかる。
 
衆議院の解散=過去20年間の内閣不信任決議案とその結果
   http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/syuugiinnkaisann.htm
 衆議院の解散には、憲法69条に基づく内閣不信任案の可決や信任案の否決を受けた場合(「内閣不信任案が可決または信任案が否決され、10日以内に解散しない限り、総辞職しなければならない」)と、憲法7条(「内閣の助言と承認により天皇の国事行為として行う」)に基づいて、首相の独自判断で行う場合があるが、03年1月20日、三権の長の一人である綿貫民輔衆議院議長が、「7条解散は政府が勝手にやるというルールはないということだ。国民主権に憲法が変わり、行政府が立法府に(解散を)命令するというのは考えられない」と発言した。

 小泉首相の独自判断による解散を牽制する政治的発言を意味するが、もともと第7条解散は、1948年12月23日に当時少数与党であった吉田内閣不信任案が衆議院本会議で可決され、衆議院が解散(『なれあい解散』)され、翌49年1月の総選挙で与党の民主自由党が大勝して吉田『ワンマン』(独裁者という和製語)内閣が誕生する過程で、東大教授宮沢俊義(当時)が、48年11月8日付『朝日新聞』紙上で「国会の解散は、憲法第69条でできるほか、第7条によってもできる」と主張したことに端を発する。

 その理由は「第7条は天皇の国事行為として国会の解散を認めており、それは内閣の助言と承認に基づいて行われる。したがって解散権は内閣にある」というものであったが、これに対して48年11月12日、憲法制定に重要な役割を果たしたGHQ民生局長(GS)コートニー・ホイットニーは、片山哲元首相に対して国会の解散は、第69条によってのみ行われるとの談話を発表し、第7条説は旧天皇制の思想につながると反論した。

 だが、法務庁法制局(現内閣法制局)は「解散権は内閣にあり」との解釈を確定させ、松岡衆議院議長(当時)は、「日本国憲法第69条及び第7条により解散する」という解散詔書を朗読し解散が行なわれ、以後こうした慣行が続いている。
   
第七条【天皇の国事行為】
 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二  国会を召集すること。
三  衆議院を解散すること
四  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七  栄典を授与すること。
八  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九  外国の大使及び公使を接受すること。
十  儀式を行ふこと。

第六十九条【衆議院の内閣不信任】
 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

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