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2010年7月11日 (日曜日)

象潟や雨に西施が合歓の花

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 多摩湖畔に、合歓の花がいいアングルで咲いている場所があった。Photo
 思わず立ち止まり、シャッターを押しながら思い出したのが、
 「象潟や雨に西施が合歓(ねぶ)の花」。

 この句は、芭蕉が奥の細道で秋田県の南端・象潟で詠んだ句だが、芭蕉の句の中でも異国情緒を感じさせる句と思っている。
  山形県北端の象潟に近い土地で育ったことから、比較的早い時期にこの句を知った。中学頃と思うが国語の先生が、実に面白可笑しく解説してくれたのが頭にこびりついた。特に、西施が眉をひそめた「ひそみに倣う」格好を全員にやらせた場面は滑稽だった。
 このことは、合歓の花を見るたびに思い出す。

 この句の良さを知るには、2・3の予備知識が必要となる。
■まず、芭蕉が訪れた元禄二年(1689)当時は、象潟は潟、つまり湾だった。
 それが文化元年6月4日(1804年7月10日)の大地震で隆起し陸地となり、それB_11まで九十九島と呼ばれ、松島と並ぶ景観を一瞬にして奪ってしまった。
■次に、紀元前5世紀、春秋時代末期、呉越の時代、西施という、中国四大美人の一人といわれる女性がいた。
 杭州の西湖は西施が入水自殺の伝説から名付けられたと言われ、呉王は西施を溺愛して国を滅ぼしたと伝えられる。また、「ひそみに倣う」という故事は、西施が胸が痛くて眉をひそめたところ、その表情が美しく、宮殿の女性達で大流行したことが由来している。
 因みに中国四大美人は、西施、虞美人、王昭君、楊貴妃

 句の解説に戻るが、1342509
 芭蕉は湾だった象潟に舟を浮かべて、中国の西湖に思いをはせ、西湖で西施が入水した悲運を偲び、「松島は笑うが如く、象潟はうらむが如し」と対比させた。
 そして、象潟の島々の合歓を見て、梅雨に濡れた合歓の花は西施が眠っているように美しいと
 「象潟や雨に西施が合歓の花」と詠んだと教わった。

 実に奥深い句であると知ることが出来る。
 今は陸地となり松島と比較できないが、もし九十九島が存在していたなNishikiら、きっと日本三景の一つとして栄えたことであろう。
 島の名残は小高い丘、中には古墳のような形になり、今も確認できるが、そこには松や合歓の木が盆栽のように茂っている。

 多摩湖は西湖に比べる程ではないが、湖畔には合歓の木が所々に見受けられ、今は花の季節だ。
 故郷の、日本海寄り国道7号線の吹浦辺りにも合歓の木が目立っていたが、芭蕉の句の奥深さを知ると句など簡単に詠めるものではない。

九十九島と呼ばれた頃の象潟

Kisakata

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02 「うんちく」知ったかぶり」カテゴリの記事

コメント

故郷の母を訪ねるたびに道の駅きさかたに寄ります。

そこで芭蕉の句
「象潟や雨に西施が合歓の花」を目にするのですが、句の意味がよくわかりませんでした。

今回尋ねたときにはなんと西施の像ができていました。

そこでなんとしても句の意味を調べようとネットで検索してこのサイトに来ました。

とてもわかりやすく、ステキな説明なので、一部引用させていただき、その他の説明は勝手にリンクさせていただきます。

もし、いけないようでしたら、お返事ください。

明日から京都へ紅葉見物にいきますので、もし削除しなくちゃならなくても10日後になります。
ごめんなさい。   元気ナース

投稿: 元気ナース | 2010年11月27日 (土曜日) 午後 12時58分

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