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2010年3月24日 (水曜日)

最後の山田浅右衛門・吉亮

 江戸時代の処刑史を調べる上で「山田浅右衛門」の名は欠かすことはできPhotoない

  「山田浅右衛門」に関する本は何冊か読んだが、最後に「山田朝右衛門」を襲名した「吉亮(よしふさ)」に関する記録が印象に残ったので紹介したい。右写真は明治36年撮影、吉亮50歳当時。(村野薫著・「日本の死刑」から)

 まず、「浅」ではなく「朝」と名乗った。
 山田吉亮(1854~1911)は八代目吉豊の実弟。
 七代目の三男となる。
 つまり、山田浅右衛門の名は、兄である長男の「吉豊」が継いでいるので「閏八代目」、あるいは「裏八代目」と呼ぶ人がいる。
 
 吉亮は麹町平河町の大きな屋敷に住んでいた。
 お役御免になってから「聞き書」や「懐宝剣尺」、「刀剣発微」といった回顧録も多く残っている。最期は明治44年、四谷の床屋で58歳のとき脳溢血で死亡している。
 「山田浅右衛門」の代々の墓は、豊島区の「祥雲寺」(池袋3-1-6)と勝興Kiriezu11寺(新宿区須賀町8番地)に残る。
 山田一族は八代で約2400人を斬首したと言われる。

 「秘話①」
 最後の山田浅右衛門と言われる「八代吉亮」が斬った首は約三百人に上り、この中には、元・米沢藩士雲井竜雄も含まれている。

 下段の回顧録では、雲井竜雄の最期の様子を語っている。
 藤沢周平は、雲井竜雄のことを「雲奔る」という小説で残している。
 また藤沢は、雲井のことを「遅れてきた維新志士」、清河八郎を「早すぎた志士」と評しているが、今回は触れない。

山田浅右衛門の名前載る本
「最後の浅右衛門」団鬼六 
「項の貌」渡辺淳一
「剣鬼と遊女」山田風太郎 
「警視庁草紙上・下」山田風太郎
「大江戸死体考・人斬り浅右衛門の時代」氏家幹人 
「斬(七代目吉利の三男・吉亮が軸)」綱淵謙錠 
「首斬り朝1~9」小島剛夕 

■重松一義著の「大江戸暗黒街」から引用
 「小さいときから試し斬りが好きだった。」
 12歳のときというから、慶応元年(1865)のこととなるが、役人には17歳と虚偽の申し立てをして、「少年囚の首を斬らせてもらった。」と回顧談を遺している。
 また、「雑念を払うため、涅槃経の四句を心のなかで唱えた。刀を振りおろすさいには、右手の指を順々に曲げて、刀の柄を握り締める。
 まず示指のとき「諸行無常」、中指のとき「是生滅法」、薬指のとき「生滅滅巳」、小指のとき「寂滅為楽」と唱え終わった瞬間、電光一閃、罪人の首はポロリと落ちていた」といったエピソードや秘伝が遺されている。
著名な事件も多く、例示すれば次の人々が挙げられる。
○明治3年12月26日、明治新政府打倒の陰謀により、元米沢藩士雲井竜雄らの斬首にあたる、吉亮弱冠17歳であった。
○明治5年2月22日、原田キク(夜嵐お絹)の斬首をこれまでの小伝馬町牢内刑場でなく小塚原で執行。愛刀兼光(関の孫六作)を特に用いたといわれる。
○明治7年7月9日、東京府囚獄掛のそう手として赤坂喰違坂の征韓論反対の岩倉具視暗殺未遂の土佐出身・陸軍少佐武市熊吉ら9人をただ一人で次々と斬り、9人斬りと評判になる。
○明治11年7月27目、内務郷大久保利通を紀尾井坂で暗殺した石川県士族島田一郎ら6人を斬首。
○明治12年1月30日、市ヶ谷監獄署で高橋お伝を斬首。わが国女囚最後の斬首刑。このときお伝は男の名を呼び叫び、吉亮は手を焼き、二度も手元が狂い、三度目に押し斬り捻じ斬りの格好で斬首したと伝えられる。吉亮唯一のやり損ねの失敗談としてある。
○明治14年7月24目、市ケ谷監獄署で強盗殺人犯の巌尾竹次郎・川口国蔵を斬首、吉亮後の首斬りとなる。吉亮28歳。翌明治15年1月1日刑法制定され斬首刑廃止。時代が大きく変わり吉亮は若くして失職しているが、歴代の刀剣鑑定の謝礼など蓄えもあり、生活に窮することもなく暮していたようで、明治44年脳溢血により四谷の床屋で急死している。58歳であった。
 子の九代吉顕は相続人ではあるが、家業の斬首経験もなく、麹町平河町の大きな屋敷から麹町紀尾井町の裏長屋に住み、生活に事欠き惨めなものであったといわれ、10代愛之助の代に山田家はついに断絶となっている。

Yamada_canvas

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